国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問28解説

 問 題     

単体の金属の結晶格子に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 原子を剛体球として考えた場合、体心立方格子における原子の空間充填率は、およそ68 %である。

㋑ 面心立方格子には、八面体間隙と六面体間隙の 2 種類があり、六方最密構造には、八面体間隙と四面体間隙の 2 種類がある。

㋒ 面心立方格子及び六方最密構造において、各原子はそれぞれ 12 個の原子に配位されている。

㋓ 面心立方格子と六方最密構造の違いは、平面上に最密充填した原子の積み重ね方のみであり、幾何学的には同じ構造である。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓ 

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
ちなみに、最密構造である面心立方格子は 約 74% です。

㋑ ですが
結晶格子の中で、4 つの原子に囲まれている隙間を四面体間隙といいます。6 つの原子に囲まれている隙間を八面体間隙といいます。六面体間隙ではありません。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
配位数 共に 12 です。

㋓ ですが
面心立方格子と六方最密構造は、同じ構造ではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

類題 R1no28 結晶構造
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-28/

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