国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問17解説

 問 題     

表は、298 K における諸過程の標準エンタルピー変化 ΔH° を示したものである。塩化カリウム (KCl) の 298 K における格子エンタルピーはおよそいくらか。

1.-1415 kJ・mol-1
2.-839 kJ・mol-1
3.-717 kJ・mol-1
4.+717 kJ・mol-1
5.+839 kJ・mol-1

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

格子エンタルピーは、固体が解離して気体のイオンになる標準反応エンタルピーのことです。格子エンタルピーはボルン・ハーバーサイクル を用いて求めることができます。

ボルン・ハーバーサイクルとは、固体が気体イオンになるまでの過程を「固体化合物 → 単体 → 分子は原子に乖離 → 原子はイオンへ変化」と分解したものと考えればよいです。本問ではボルン・ハーバーサイクルを知らなくても、表から段階的に「固体 → 気体イオン」へできるようになっています。

上の図のようにエンタルピー変化をまとめれば、求めるエンタルピー変化は 437 + 280 = 717 です。(符号は +)

以上より、正解は 4 です。

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