国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問16解説

 問 題     

図のように、正方形 PQRS の三つの頂点 Q、R、S に、 3 本の十分に長い直線導線を正方形に対して垂直に配置し、Q、S を通る導線に、紙面の表から裏の向きにそれぞれ大きさ I 、2I の電流を、R を通る導線に、紙面の裏から表の向きに大きさ 2I の電流を流した。

このとき、図中の矢印 ㋐ ~ ㋔ のうち、 3 本の導線に流れる電流によって P に生じる磁界の向きを表すものとして最も妥当なのはどれか。

1.㋐
2.㋑
3.㋒
4.㋓
5.㋔ 

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

直線電流が作る磁界と来たら「アンペールの法則」です。距離 r 離れたら H = I/2πr です。ちなみに、本問では使いませんが、円電流が出てきて、中心の磁界と来たら「ビオ・サバールの法則」です。H = I/2r を思い出します。

正方形の一辺を r とします。
点 Q,S までの距離は r
点 R までの距離は √2r です。


・電流 Q により
大きさ I/2πr、向き 「→」…(1)

・電流 S により
大きさ 2I/2πr、向き「↑」…(2)  の磁界が発生します。

※向きは右ねじの法則からわかります。右手親指を電流の向きに合わせた時に、残り 4 本の指の流れが磁界の向きと対応します。

・電流 R により
大きさ 2I/(2π × √2r)、向き「↙️」の磁界が発生します。斜めだとわかりにくいので、真左と真下に分解するとよいです。

大きさ I/2πr、向き 「←」…(3) と
大きさ I/2πr、向き 「↓」…(4) に分解できます。

(1) ~ (4) のベクトル和を考えれば
↑ 方向だけ残ります。
㋑ が妥当です。


以上より、正解は 2 です。

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