国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問102解説

 問 題     

動物の繁殖に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 無性生殖と比較した際の有性生殖の自然選択上の利益は、ランナウェイ過程によって説明することができる。

㋑ 体が大きくて性成熟した魚 A を捕食する魚 B がいる川では、魚 A は体が小さいうちに性成熟するように進化すると考えられる。

㋒ 厳しい環境条件により個体の将来の生存が難しい場合は、繁殖のコストは生じにくいと考えられる。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
ランナウェイ過程とは、例えばある種においてメスが オスへの好みとして「長い羽」を好む場合に、対応した「長い羽」という形質を持つオスばっかりになっていく という過程です。ロナルド・フィッシャーによって提唱されたことから、フィッシャー説と呼ばれることもあります。

この仮説において、ある形質を好むことはあくまでもたまたまです。そのため「無性生殖と比較した際の有性生殖の自然選択上の利益」を説明する説ではありません。㋐ は誤りです。


㋑ は妥当です。

B による捕食の結果として、小さいうちに性成熟する個体の比率が増えていくと考えられます。

㋒ は妥当です。
繁殖が優先され、繁殖しやすい=コストが生じにくい と考えられます。


以上より、正解は 4 です。

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