問 題
健康なヒトの心筋の活動電位に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ 心室筋の静止膜電位は、およそ -90 mV であり、これは Na+ の平衡電位にほぼ等しい。
㋑ ペースメーカーである洞房結節で発生した興奮は心房に伝わり、さらに心室にも非常に速やかに伝搬するため、心室筋は心房筋と同時に脱分極する。
㋒ 脱分極後、最終的には K+ チャネルが開口して K+ が細胞外へ流出することにより、細胞膜は再分極する。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒
正解.5
解 説
㋐ ですが
静止膜電位は、ATP を用いた ナトリウムカリウムポンプの働きにより維持されています。従って、Na+ の平衡電位、すなわち放っていおいた時に落ち着く電位とは異なります。㋐ は誤りです。ちなみに、心室筋の静止膜電位が「およそー90mV」という記述は妥当です。
㋑ ですが
洞房結節で発生した興奮は心房に伝わり、心房の興奮が房室結節に集まり、ヒス束を通じて心室へと伝わります。このような経路を介するため、心房の興奮と心室の興奮は一定のずれがあります。「心室にも非常に速やかに伝搬」するわけではありません。㋑ は誤りです。
㋒ は妥当な記述です。
以上より、正解は 5 です。
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