国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問80解説

 問 題     

リアルタイムPCR に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「遺伝子 X を含む 2 種類のDNA サンプル(サンプルA とサンプルB)を用い、遺伝子 X についてのリアルタイム PCR を行ったところ、図のような ㋐ 曲線が検出された。この ㋐ 曲線より、サンプル A では、 ㋑ に達するまでのサイクル数がサンプル B よりも 3 サイクル早いことが明らかとなった。このことから、サンプル A 中の遺伝子 X の量は、サンプル B 中の遺伝子 X の量の ㋒ 倍であることが分かった。」

  ㋐ ㋑ ㋒
1.増幅 検量線 3
2.増幅 閾値線 1/3
3.増幅 閾値線 8
4.融解 検量線 3
5.融解 閾値線 8

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
DNA 増幅の様子をモニタリングしたものは「増幅曲線」です。正解は 1 ~ 3 です。融解曲線は、温度を挙げていくことで DNA 2本鎖 → 1本鎖 へと構造変化する温度を見るための曲線です。

㋑ ですが
閾値線です。検量線は、予め量・活性等のわかっている標準物質とそれに対する測定データとの間の関係を示したグラフです。正解は 2 or 3 です。

㋒ ですが
1サイクルで DNA は2倍になります。3サイクル早かったのだから、23 = 8 倍だったとわかります。

以上より、正解は 3 です。

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