国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問80解説

 問 題     

DNA の電気泳動に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。 

「大腸菌より単離したプラスミド DNA を、TAE バッファーを用いたアガロースゲル電気泳動法により解析を行い、図のように、開環状 DNA、閉環状 DNA、直鎖状 DNA に由来する 3 本のバンドが検出された。

このとき、プラス極は図の ㋐ 部であり、最もマイナス極側に位置するバンドは ㋑ DNA である。このプラスミド DNA を制限酵素で1 箇所切断したものを泳動した場合、そのバンドは直鎖状 DNA と同じ位置に検出され、その場所は ㋒ である。」

  ㋐ ㋑ ㋒
1.上 閉環状 A
2.上 閉環状 C
3.上 開環状 B
4.下 閉環状 A
5.下 開環状 B

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
負に分子が帯電しているため、電流を流すことで正極方向に泳動されます。よってプラス極は「上」部です。正解は 1 ~ 3 です。

㋑ ですが
1ヶ所切断したら直鎖状 DNA と同じ位置に検出されたとあることから、2本鎖 DNA のうち、一方には既に切れ目が入っていたと考えられます。

「開」環状 DNA とは、2 本鎖のうち 1 方のみが結合して環状になっており、もう 1 方には切れ目が入っている状態の DNA です。これをさらに 1 ヶ所切断したことで直鎖状と同じ位置に検出されたと考えられます。㋑ は「開環状」です。これにより、㋒ は B とわかります。

以上より、正解は 3 です。

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