国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問78解説

 問 題     

清酒の製造工程に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「清酒は以下の製造工程を経て造られる。
・ 原料処理の工程では、玄米を精米し、得られた白米を浸漬して蒸し、蒸米を造る。
・ 製麹(せいきく)の工程では、蒸米に、通常は ㋐ 菌を接種して麹を造る。
・ 酒母(しゅぼ) を造る工程では、水、蒸米、麹、培養酵母を加え、後の工程に必要な酵母を大量かつ純粋に培養する。
・ 醪(もろみ)を造る工程では、酒母に、更に水、蒸米、麹を加えて発酵を行わせる。醪中では麹から供給される ㋑ の働きにより、デンプンが糖に分解され(糖化)、酵母により、糖からアルコールが生成する(アルコール発酵)。この糖化とアルコール発酵は一つの醪の中で同時に行われるが、このような発酵形態を ㋒ という。
・ 上槽(じょうそう)の工程では、発酵が終了した醪を、圧搾して清酒と酒粕に分離する。」

  ㋐ ㋑ ㋒
1.黄麹(きこうじ) アミラーゼ 並行複発酵
2.黄麹(きこうじ) セルラーゼ 並行複発酵
3.紅麹(べにこうじ)アミラーゼ 単行(複)発酵
4.紅麹(べにこうじ)セルラーゼ 単行(複)発酵
5.紅麹(べにこうじ)セルラーゼ 並行複発酵

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ ですが
清酒なので「黄麹」です。紅麹は「紹興酒」や「豆腐よう」に用いられます。正解は 1 or 2 です。これにより、㋒ は「並行複醗酵」です。

㋑ ですが
デンプンが分解されるので「アミラーゼ」です。セルラーゼは、セルロースを加水分解します。

以上より、正解は 1 です。

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