国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問75解説

 問 題     

抗生物質によるタンパク質合成阻害に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「抗生物質のうち、タンパク質合成阻害剤には原核細胞と真核細胞に対する効果が異なるものがある。テトラサイクリンは、リボソームの 30S サブユニットに作用し、アミノアシル tRNA のA 部位への結合を阻害することから、主に ㋐ に作用する。

一方、シクロヘキシミドは、リボソームの 60S サブユニットに作用し、ペプチジル転移酵素活性を阻害することから、 ㋑ に作用する。また、ピューロマイシンは、アミノアシル tRNA の類似体として働き、ペプチド伸長反応を中断させることから ㋒ に作用する。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

リボソームについて、原核生物は 70S(50S+30S)、真核生物は80S(60S+40S)です。S は沈降速度を表し、単純な和にはなりません。

㋐ ですが
「30S」なので、原核細胞です。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ ですが
「60S」なので、真核細胞です。正解は 4 or 5 です。

㋒ ですが
ペプチド伸長反応は、原核・真核に共通なので、両方です。

以上より、正解は 5 です。

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