国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問102解説

 問 題     

進化生態学に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 遺伝子型の頻度と適応度が負の相関を示し、少数派が有利となるような自然選択を負の頻度
依存選択と呼ぶ。
㋑ 有性生殖を行う動物の場合、個体群中の雌雄比は 1:1 の状態が進化的に安定な状態となる。
㋒ 血縁個体の交配で劣性の弱有害遺伝子が集団から除かれていくプロセスを血縁淘汰(血縁選
択)と呼ぶ。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
血縁個体の交配であれば、劣性の弱有害遺伝子が集団において増加していくと考えられます。よって、㋒ は誤りです。ちなみに、血縁淘汰とは、遺伝子を共有する血縁者の繁殖成功に与える影響も考慮する考え方のことです。これにより利他的行動が説明されると考えられています。

以上より、正解は 2 です。

コメント