国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問53解説

 問 題     

製剤の製造機器や製造法に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ ボールミルは、容器全体を滅菌できるので、注射剤や点眼剤用の原薬の粉砕に適している。
㋑ ジェットミルは、ジュール・トムソン効果を利用しているため、熱に不安定な薬物の微粉砕に適している。
㋒ 流動層造粒装置は、高密度の造粒物を製造することができ、顆粒や打錠用顆粒の製造に適している。
㋓ V型混合機やリボン型混合機は、容器回転型に分類され、本体が回転することにより粉体の混合を行う。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。
ボールミルは、「容器+粉砕するもの+小さな硬いボール」でぐるぐる回す、粉砕機の一種です。容器全体が滅菌できます。
ジュール・トムソン効果とは、気体膨張時の温度低下のことです。

㋒ ですが
流動層造立装置は、原料粉末を風でまきあげて流動層を形成→スプレー装置で、粉体に結合液を噴霧し、凝集・乾燥・結合による造粒操作を行るという装置です。他の造粒法よりも「軽質・多孔質な顆粒」が得られます。明らかに「高密度」の造粒物ではありません。よって、㋒ は誤りです。

㋓ ですが
リボン型は、固定容器内で回転する二重リボン型の羽根により混合を行う機械です。容器が回転するわけではありません。ちなみに、V 型混合機は代表的な容器回転型です。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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