国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問99解説

 問 題     

自然選択に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「進化とは集団中の対立遺伝子頻度が世代を経るに従って変化することである。常染色体にある遺伝子座について、優性の対立遺伝子を A、その頻度を p、また劣性の対立遺伝子を a、その頻度を q とする。ただし、p + q = 1 である。aa の個体が集団中から完全に除去される場合、a の頻度は ㋐ となる。

最初の世代での a の頻度を q0 とし選択が t 世代続いたとする(その後の各世代での a の頻度を q1、q2、q3、…、qt とする)と、qt = ㋑となる。このことから、適応度が 0 である劣性の対立遺伝子は ㋒ ことが分かる。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ ですが
AA の個体の確率が p2、Aa の個体の確率が 2 × p(1-p) と表すことができます。そのため、遺伝子 a の頻度は、分母が p2 + 2 × p(1-p)、分子が 2 × p(1-p) の半分です。以下のように整理することができます。

これにより、正解は 1 or 2 です。また、㋑ は q0/1+q0t とわかります。

㋒ ですが
遺伝子 a の頻度 q0/1+q0t に注目すると、少しずつ分母は大きくなり、全体の値は小さくなりますが、0 になることはありません。よって㋒ は「集団に長らく存続する」です。

以上より、正解は 1 です。

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