国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問74解説

 問 題     

核酸の修飾に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ DNA に紫外線を照射した場合に最も高頻度で生じる光反応は、同一 DNA 鎖上の隣り合ったプリン塩基間でのシクロブタン型二量体の形成である。

㋑ DNA 塩基が脱アミノ反応を受けると、アデニンはヒポキサンチン、グアニンはキサンチン、シトシンとチミンはウラシルに変化する。

㋒ rRNA は、前駆体から切断された後、特定の位置でウラシル塩基の異性化とリボースの2′ 位水酸基のメチル化を受けて成熟分子になる。

㋓ tRNA 中の可変ループでは、アデニンが酵素による修飾を受けてヒポキサンチンに変化することがあり、そのヒポキサンチンはmRNA 中のグアニンと塩基対を形成する。

1.㋐、㋑
2.㋑
3.㋑、㋒
4.㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
チミン二量体が知られています。チミンなので「ピリミジン塩基間」のシクロブタン型二量体です。よって、㋐ は誤りです。

㋑ ですが
アデニン→ヒポキサンチン、グアニン→キサンチン、シトシン→ウラシルは妥当な記述です。しかし、チミンは脱アミノしません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ は妥当な記述です。

㋓ ですが
ヒポキサンチンは、ウラシル、アデニン、シトシンと塩基対形成ができます。「グアニン」ではありません。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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