国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問38解説

 問 題     

乾燥に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ある含水固体材料を温度 t〔0 ℃〕、湿度 H〔0 kgー水蒸気・(kgー乾燥空気)-1〕の熱風で乾燥する。この材料の乾燥固体質量基準の含水率 w〔kgー水・(kgー乾量)-1〕は、乾燥時i〔s〕に対して図A のように変化し、その過程は図中の Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ の期間に分けられる。このとき含水率 w の変化と乾燥固体質量基準の乾燥速度 dw/dθ 〔kgー水・(kgー乾量)-1・s-1〕の関係、すなわち乾燥特性曲線は、図 B、C のうちでは、 ㋐となる。

乾燥速度が一定である期間 Ⅱ では、材料の温度は ㋑。また、この期間では ㋒ の関係が成り立つ。ここで、kH〔kg・m-2・s-1〕は湿度差を推進力とする物質移動係数、tm〔℃〕は材料の温度、Hm〔kgー水蒸気・(kgー乾燥空気)-1〕は tm における飽和湿度、h〔kJ・m-2・s-1・K-1〕は空気-水間の伝熱係数、λm〔kJ・kg-1〕は tm における水の蒸発潜熱である。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ ですが
曲線の傾きは dw/dθ は負なので、ーdw/dθ は正です。そして、図 A においてⅠの部分の傾きは「だんだん急」になっているため、ーdw/dθ はだんだん増加のはずです。よって、㋐ は 図 B です。正解は 1~3 です。

㋑ ですが
図 A のⅡの部分は「定率乾燥期間」です。材料内部の水分が表面に十分補給され、材料が水膜に覆われているような状況です。乾湿温度計における、熱風に対する湿球温度が保たれます。正解は 1 or 2 です。

㋒ ですが
定率乾燥期間においては、流入熱量=蒸発潜熱です。

以上より、正解は 1 です。

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