問 題
誘電物質に関する次の記述の㋐〜㋓に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「BaTiO3 などペロブスカイト型構造をとる物質には、ある温度以上では、対称構造をとり、電荷が中和されているが、それ以下では、陽イオン、陰イオンが対称からずれた位置を占めるものがある。この場合、正電荷の重心と負電荷の重心が一致せず、外部からの電場の作用なしでも分極する。これを自発分極という。
自発分極をもち、その分極の方向を外部電場で変えることができる物質を㋐という。㋐は、その自発分極の方向に伸縮させると、分極が小さくなったり大きくなったりする。このような性質を㋑という。これを利用しているものに、ガスレンジの点火装置や、超音波洗浄機の振動子、超音波診断装置などがある。
また、 ㋐は、加熱・冷却による熱膨張・熱収縮などによっても分極が変化する。このような性質を ㋒ という。これを利用しているものに、人体識別センサ、赤外線方式の防犯センサなどがある。㋒ をもつ物質の ㋓ が ㋑ を示す。」
㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1.強誘電体 圧電性 焦電性 全て
2.強誘電体 圧電性 焦電性 一部
3.強誘電体 焦電性 圧電性 全て
4.焦電体 強誘電性 圧電性 全て
5.焦電体 強誘電性 圧電性 一部
解 説
㋐~㋒ ですが
自発分極をもち、その分極の方向を外部電場で変えることができる物質は、「強誘電体」です。強誘電体は、自発分極方向に伸縮させると、分極が変化します。この性質を「圧電性」といいます。「焦電体」とは、温度変化により誘電体の分極(表面電荷)が変化する物質です。代表例は、チタン酸ジルコン酸鉛 です。正解は 1 or 2 です。
㋓ ですが
焦電体は、圧電効果を示します。つまり、焦電体であれば、圧電性を有します。㋓は「全て」です。
以上より、正解は 1 です。
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