国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問15解説

 問 題     

液体中を音波が伝わるとき、その波の伝播速度 u は、媒質の液体の圧縮率を k、密度を t とすると

で表される。

いま、密度1.6 ×103 kg・m-3 の液体中に、図のように 25 kHz の超音波を照射したところ、定在波が発生した。圧力センサーにより、音圧が高い、すなわち定在波の腹に当たる位置を測ったところ、その間隔が 1.8 cm であった。この液体の圧縮率はおよそいくらか。

1. 1.4 × 10-10 Pa-1
2. 3.8 × 10-10 Pa-1
3. 7.7 × 10-10 Pa-1
4. 3.1 × 10-9 Pa-1
5. 5.4 × 10-9 Pa-1

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

波の基本式 v = νλ を思い出します。本問の図に描かれているのは「定常波」なので、「超音波振動子から出ている波」の一部に色をつけると、以下のようになります。従って、「超音波振動子から出ている波」の波長は 3.6cm です。

与えられた式の左辺を νλ にして、数値を代入します。ν = 25 × 103、λ は単位をメートルになおしておくので、3.6 × 10-2 とします。

25 × 3.6 = 90 です。両辺二乗すると
81 × 104 = 1/(k × 1.6 × 103)
81 × 1.6 × 107 = 1/k
∴ k = 1/(129.6 × 107) ≒ 1/(1.3 × 109) です。選択肢から近い値を選べば 7.7 × 10-10 となります。

以上より、正解は 3 です。 

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