国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問100解説

 問 題     

人類進化に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ヒトは霊長類の一種であるが、現生霊長類の中でヒトに最も近縁なのは ㋐ である。人類進化に伴って脳容積は増大し、 ㋑ は現生のヒトとほぼ変わらない脳容積をもっていた。ゲノムの比較によって、 ㋒ 遺伝子におけるアミノ酸変異がヒト言語能力の発達に役割を果たした可能性が示唆されている。」

㋐ ㋑ ㋒
1.ゴリラ    フローレス原人   HOXA13
2.ゴリラ    ネアンデルタール人 HOXA13
3.チンパンジー フローレス原人   FOXP2
4.チンパンジー ネアンデルタール人 HOXA13
5.チンパンジー ネアンデルタール人 FOXP2

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
ヒトに最も近縁な霊長類といえば、ボノボ、チンパンジーです。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ ですが
フローレス原人は、身長 1m あまり、小型ヒト属と考えられている、絶滅した原人です。フローレス原人の脳サイズは、猿人と同じくらいの大きさ(小ささ)だと判明しました。ヒトと変わらない脳容積をもっていたのはネアンデルタール人です。正解は 4 or 5 です。

㋒ ですが
HOXA13 は、HOX 遺伝子の一つです。HOX遺伝子は胚発生における形態決定を司る遺伝子です。ヒト言語能力発達と関連する可能性が示唆されているのは FOXP2 です。

以上より、正解は 5 です。

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