国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問75解説

 問 題     

大腸菌 DNA に関する次の記述の ㋐ ㋑ ㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「大腸菌には ㋐ の染色体DNA が存在し、㋑ に凝縮している。またプラスミドとよばれる小型の独立した DNA をもつことも多く、抗生物質耐性など大腸菌に有利な性質が付加される場合もある。㋑ は真核細胞の細胞内小器官である㋒ にも存在している。」

㋐ ㋑ ㋒
1. 環状 核様体 ミトコンドリア
2. 環状 ヌクレオソーム ミトコンドリア
3. 線状 核様体 ペルオキシソーム
4. 線状 核様体 ミトコンドリア
5. 線状 ヌクレオソーム ペルオキシソーム

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐、㋑ ですが
大腸菌は代表的原核生物です。原核生物なので、DNA は核膜に覆われていません。DNA は細胞質に核様体と呼ばれる形で、環状構造として存在します。ちなみにヌクレオソームとは、真核生物に共通する染色体の基本的構成単位です。 4種のコアヒストン(H2A、H2B、H3、H4)から構成されるヒストン8量体に、2重鎖DNAが巻き付いた構造をとります。

㋒ ですが
ミトコンドリア DNA や葉緑体 DNA も、核様体として存在しています。ちなみにペルオキシソームは、ほぼ全ての真核細胞が持つ細胞小器官で、多様な物質の酸化反応を行う器官です。

以上より、正解は 1 です。

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