国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問65解説

 問 題     

水田におけるヒ素及びカドミウムの低減に関する次の記述の㋐~㋓に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「土壌中のカドミウムの存在形態は、㋐ 状態では大部分が交換性陽イオン、㋑ 状態では硫化物として安定であると考えられている。したがって水稲によるカドミウムの吸収を抑制するには可能な限り㋑ 状態を維持する水管理法が有効である。

一方、ヒ素の溶解度は、㋑ 状態の発達すなわち土壌の酸化還元電位の ㋒ によって、また、土壌の㋓によって増加する。したがって、水稲によるヒ素の吸収を抑制するには可能な限り㋐ 状態を継続し、ヒ素の溶解度を下げる水管理法が有効である。

すなわち水稲によるカドミウムの吸収を抑制し得る水管理法を実施すればヒ素の吸収が促進されるというトレードオフの関係にあり、両者を同時に低減させる技術の開発が進められている。」

㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1. 還元 酸化 増加 酸性化
2. 還元 酸化 低下 アルカリ化
3. 酸化 還元 増加 酸性化
4. 酸化 還元 低下 酸性化
5. 酸化 還元 低下 アルカリ化

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐、㋑ ですが
陽イオンになっているということは、土壌が酸化状態です。相手を酸化しようとする、つまり電子を奪うから、微量元素が陽イオンの状態となっていると考えられます。㋐ は酸化、㋑ は還元です。

㋒、㋓ ですが
還元状態の発達は、酸化還元電位でいえば「低下」です。これは土壌のアルカリ化ともいえます。㋒ が低下、㋓ がアルカリ化です。

以上より、正解は 5 です。

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