国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問42解説

 問 題     

容量分析法に関する記述㋐~㋔のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 酸塩基滴定に用いられる標準液 0.5mol/L 硫酸の標定には、標準試薬としてアミド硫酸が
用いられる。
㋑ 酸塩基滴定の電位差滴定法では、指示電極としてガラス電極が用いられる。
㋒ キレート滴定に用いられる金属指示薬として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が汎用さ
れる。
㋓ 沈殿滴定で指示薬として用いられるフルオレセインは、当量点を境にコロイド粒子に吸着し
て色が変化する。
㋔ 過マンガン酸カリウム液を標準液に用いる酸化還元滴定では、指示薬は不要である。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒ ㋔
3. ㋑ ㋓
4. ㋑ ㋓ ㋔
5. ㋒ ㋔

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
アミド硫酸は、「水酸化ナトリウム溶液」の正確な濃度を求めるための標定に用いられる標準物質です。硫酸の標定に用いる物質としては「水酸化ナトリウム」などが妥当と考えられます。よって、㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
EDTA は「キレート試薬」です。指示薬としては、エリオクロムブラック T などが用いられます。よって、㋒ は誤りです。

㋓、㋔ は妥当な記述です。
フルオレセインは、ファヤンス法に用いられる指示薬です。吸着指示薬の一種です。
過マンガン酸カリウム溶液は、それ自身が消費されることで濃紫から無色となるので、滴定液自身が指示薬になっているといえます。そのため、指示薬は不要です。

以上より、妥当な記述は㋑、㋓、㋔です。正解は 4 です。

コメント