国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問39解説

 問 題     

円管内の流れの状態に関する次の記述の㋐ ㋑ ㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「円管内の流れの状態が、層流、乱流のいずれであるかは、レイノルズ数 Re = Duρ/μ により判断できる。ここで D は円管の内径、u、ρ、μ はそれぞれ流体の平均流速、密度、粘度である。

層流の状態では ㋐ が流れの状態を支配しており円管の半径を R(=D/2)、円管中心軸か
らの半径方向の距離を r、 最大流速を umax とすると、円管内の速度分布 u(r) は、u(r) = ㋑
で表される。

内径 100mm の円管内を、密度 1000kg・m-3 粘度 1.0 × 10-3 Pa・s の流体が、流量 1.0 × 10-4 m3・s-1 で流れているとき、流れの状態は ㋒ である。」

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
Re が小さいと層流です。大体 Re < 2000 が目安です。層流の状態では、粘性が流れの状態を支配します。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ ですが
放物線分布 というキーワードを思い出せれば、二乗を選べるのではないでしょうか。とはいえ、これがわからなくても、㋒ で答えは導けます。

㋒ ですが
Q = Au と考えられるため、流量から u を求めることができます。内径が 100mm なので、半径は 50mm です。単位を m にするため、0.05m とします。円の面積は πr2 です。従って、u = 1.0 × 10-4 (m3・s-1)/(π × 0.052) です。計算すると、u = 1/25π (m/s) となります。

問題文の式に D = 100mm → 0.1 m、ρ = 1000kg・m-3、μ = 1.0 × 10-3 (Pa・s = kg/m・s2)を代入して、Re を求めます。 Re は無次元数なので、単位は消えると信じて(実際に全てきれいに消えます。)数値のみを計算します。

Re < 2000 なので層流です。

以上より、正解は 4 です。

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