国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問71解説

 問 題     

ペントースリン酸経路に関する次の記述の ㋐ ㋑ ㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ペントースリン酸経路は ㋐ に存在し、脂肪酸やステロイド合成に必要な ㋑ と、核酸合成に必要なリボースを産生する。この経路ではグルコースを酸化することにより ㋒が生成される。」

㋐ ㋑ ㋒
1. 細胞質ゾル NADPH ATP
2. 細胞質ゾル NADPH CO2
3. 細胞質ゾル NADH ATP
4. ミトコンドリア NADPH CO2
5. ミトコンドリア NADH ATP

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

ペントースリン酸回路とは、細胞質内で進行する、グルコース-6-リン酸(以下、G6P) を出発点とし、リボース-5-リン酸 等の 5 炭糖 及び NADPH を生成する回路です。できた 5 炭糖は、ホスホリボシルピロリン酸(PRPP)となり、ヌクレオチド(糖+塩基+リン酸 DNA や RNA の構成単位) の原料として用いられます。

NADPH は、還元剤です。脂肪酸やステロイドの合成、過酸化物の無害化 など様々な反応に用いられます。還元剤なので「酸素を奪う」、「水素を与える」、「電子を与える」のどれかを行う物質です。ひっかかりやすいポイントとしては、この回路では、ATP は、生成されません。意識して、覚えておくとよいです。

以上をふまえると、記述 ㋐  は「細胞質ゾル」です。記述 ㋑ は「NADPH」です。記述 ㋒ はATPではない、という点から CO2 です。正解は 2 です。

参考)生化学 6-2 7)

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