国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問51解説

 問 題     

抗腫瘍薬に関する記述㋐~㋓の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ ビンクリスチン、ビンブラスチンは、微小管と結合して脱重合を阻害することにより細胞分裂を阻害する。
㋑ マイトマイシンC は、酵素によって還元され DNA と結合して抗腫瘍効果を示す。
㋒ タモキシフェンは、エストロゲン受容体に結合して、女性ホルモン依存的な乳がん細胞の増
殖を阻害する。
㋓ トレチノイン(all – trans retinoicacid,ATRA)は、急性前骨髄球性白血病細胞を分化誘導す
ることによりその増殖能力を失わせる。

㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1. 正 正 正 誤
2. 正 誤 誤 正
3. 正 誤 誤 誤
4. 誤 正 正 正
5. 誤 正 誤 正

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

記述 ㋐ ですが
ビンクリスチン、ビンブラスチンはビンカアルカロイド系抗がん剤です。微小管「重合」を阻害することにより作用を示します。「脱重合」を阻害するのは、タキサン系です。よって、記述 ㋐ は誤りです。これにより、正解は 4 or 5 です。記述 ㋑、㋓ は正しいとわかります。

記述 ㋒ は妥当な記述です。
タモキシフェンは、抗エストロゲン薬です。エストロゲン受容体に結合する抗乳がん薬です。

以上より、誤、正、正、正です。正解は 4 です。

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