国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問106解説

 問 題     

生物の系統分類に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうちから妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。

㋐ 最尤法とは、生物の形質データが与えられたとき、系統樹全体にわたる形質状態の変化総数
が最小となる系統樹を選択する方法である。
㋑ 生物学的種概念における種とは、自然条件下で実際にあるいは潜在的に相互交配し、他の群
とは生殖的に隔離されている生物の一群である。
㋒ 命名規約は、生物のタクソンに学名を付け、学名を維持、管理するための取決めのことで、
全生物で統一的な国際命名規約が使用されている。
㋓ ブートストラップ法(bootstrap method)を用いて、系統解析で得られた系統樹の各枝がどの
くらいの信頼性をもっているかを確かめることができる。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒
3. ㋑ ㋒
4. ㋑ ㋓
5. ㋒ ㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
形質の変化が最小となるようにするのは「最節約法」です。データへの当てはまりがよいように最適化するのが最尤(ゆう)法です。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
命名規約について、動物は国際命名規約といったように、規範が並立しています。「全生物統一」ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当な記述です。
ブートストラップ法とは、ある標本集団から母集団の性質を推定するための方法です。実際のデータ(n 個)からランダムに n 個を復元抽出(重複を許した抽出)して繰り返し検証したい統計量などについて計算を行い推定します。

以上より、正解は 4 です。

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