生物は、温度や湿度の異なる変化の大きな環境の中で生きています。生活を可能にしているのは、生物を構成する細胞が細胞膜に囲まれており、その内部環境が一定に保たれているからです。
もう少し詳しく見ると、環境と体内を隔てる組織が体表組織です。そして、体内の細胞、組織、器官は体液と呼ばれる体内環境に浸されています。
体内環境である体液の温度や各種物質の濃度は、外界の変化により容易に変動を受けます。その変化に対して、「体内環境を安定した状態に維持する性質」が「ホメオスタシス(恒常性)」です。
ホメオスタシスには、腎臓、肝臓、循環系といった多くの器官、器官系が関与します。さらに、神経系や内分泌系によって調節を受けます。外敵の侵入に対しては、免疫系が働きます。各種調節機構について、より詳しく次節以降で説明します。
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