糸球体腎炎とは、腎臓の炎症の一種です。主に糸球体に炎症がおきるのが糸球体腎炎です。大きく急性糸球体腎炎(AGN:Acute glomerulonephritis)と、慢性糸球体腎炎(CGN:Chronic glomerulonephritis)に分類されます。
急性糸球体腎炎の主な原因は、A 群 β 溶血性連鎖球菌による感染です。まず、上気道感染しその後2週間程度で発症します。発症機構は III 型アレルギーによるものであり、免疫複合体の関与が知られています。血尿、浮腫、高血圧が三大主徴です。
基本的には安静による自然治癒が見られます。浮腫、高血圧などに対して、必要に応じて薬物治療が行われます。
慢性糸球体腎炎は、慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)の一種です。原因は不明ですが、免疫複合体の関与が多いとされています。
炎症治療と、血圧コントロールによる対症療法が行われます。使用される薬物は、抗炎症薬として、プレドニゾロン、降圧薬として、フロセミド や ACE 阻害剤などが用いられます。
特にACE阻害剤は、腎保護作用があり、投与が推奨されます。しかし、ACE阻害剤は腎排泄型薬物であるため、高度な腎障害に対しては、投与量を減らすなどの対処が必要です。
糖尿病性腎症とは、継続した高血糖状態により、腎臓の機能が損なわれることです。糖尿病の3大合併症の一つです。(残り2つは、神経症、網膜症)
糖尿病性腎症は、進行の度合いにより第1期から第5期まで分類されます。初期には厳格な血糖コントロールを行います。進行するとさらに血圧コントロールも行われます。
尿路感染症とは、尿路で生じた感染症です。部位により、上部尿路感染症と下部尿路感染症に分類されます。上部尿路感染症とは、腎盂腎炎や、尿管炎のことです。下部尿路感染症とは、尿道炎や、膀胱炎のことです。
又、基礎疾患の有無により、単純性尿路感染症と、複雑性尿路感染症に分類されます。単純性尿路感染症とは、基礎疾患のない尿路感染症です。大部分は糞便中の大腸菌による感染が原因です。複雑性尿路感染症とは、基礎疾患のある尿路感染症です。結石や前立腺肥大などを基礎とし、複数の菌の感染が原因となります。
治療には、腎移行性のよい ペニシリン 系や セフェム 系の抗菌薬を用います。
薬剤性腎症とは、薬物が原因である腎症です。代表的な腎障害を引き起こす薬剤として、アミノグリコシド系抗菌薬、NSAIDs などがあります。用量依存性直接型腎障害と、アレルギー性過敏型腎障害に大別されます。
用量依存性直接型腎障害では、特徴的な症状などは見られませんが腎機能低下がおきます。アレルギー性過敏型腎障害では、発疹、発熱といったアレルギー性の所見が見られます。
尿路結石とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道に腎結石が生じることです。腎臓や尿管の結石を上部尿路結石と呼びます。(頻度はこちらが高い)膀胱や尿道の結石を、下部尿路結石と呼びます。石の成分の大部分はカルシウム結石です。水分を多く取り、運動を行うことが、石が取れる促進要因となります。
対症療法として、ブチルスコポラミン(鎮痙薬)やインドメタシン(痛み止め)などが用いられます。又、尿酸結石の予防として、クエン酸カリウム(尿アルカリ剤)などが用いられます。
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