腎不全の病態生理、治療薬、注意点

腎不全とは、腎臓機能が低下した状態です。腎不全の原因は、薬の副作用、脱水、ショック、糖尿病、高血圧などです。腎不全は急性腎不全と慢性腎不全に分類されます。圧倒的に慢性腎不全の方が多いです。

急性腎不全とは、腎機能が急激に(数時間から数週間程度のうちに)低下することです。恒常性維持障害がおきます。急性腎不全は、どこの機能が低下したかにより、腎前性、腎性、腎後性の3つに分類されます。

腎前性急性腎不全とは、脱水や大出血といった理由により、腎臓によりろ過される以前の部分における腎血流量の急激な低下が原因である急性腎不全のことです。

腎性急性腎不全とは、腎臓自体の障害により、ろ過機能が低下してしまうことによる腎不全のことです。原因としては、シクロスポリン、NSAIDs、アミノグリコシド、シスプラチンなどの腎排泄型薬剤の副作用などがあります。

腎後性急性腎不全とは、ろ過されてから尿道までのどこかに閉塞があり、尿が滞って排泄されないことによる腎不全のことです。原因としては、前立腺肥大症、尿路結石などがあります。治療には、利尿薬や、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを用います。これらの薬により、無機イオンのバランスを整えます。

慢性腎不全とは、数ヶ月から数十年にわたる腎機能の低下のことです。GFR(glomerular filtration rate:糸球体濾過量)の低下により、第 I 期~第 Ⅳ 期にまで分類されます。原因は様々で、高血圧、糖尿病などが代表的な原因です。

治療には、原則として急性腎不全と同様の薬物療法が行われます。又、末期になると、腎臓透析を行います。

コメント