質量分析法の原理

質量分析法とは、分子をイオン化し、質量電荷比(m/z)に基づき分離検出する方法です。物質の確認、純度試験、部分構造解析などに用いられます。

質量分析では、まず試料をイオン化する、という点が特徴です。イオン化の方法は大きくハードイオン化法≒ EI(Electron ionization法) 法と、それ以外のソフトイオン化法に分類されます。

EI 法は、熱電子によるイオン化法です。熱電子だけあって、エネルギー豊富です。そのため、試料分子が結構がっつり分解されやすく、フラグメントイオンが起こりやすい点が「ハード」と呼ばれる理由です。分子量が大きくなると、フラグメントが多すぎて分析が難しいなどの理由から発達したのが、ソフトイオン化法と大きくまとめられるような、その他のイオン化法です。

CI (Chemical ionization)法は、反応ガス分子を用いたイオン化法です。EI 法に比べるとフラグメンテーションが起きにくい、GC(ガスクロマトグラフィー)との接続が容易などの利点があります。

その他にも、高電圧印加キャピラリーによるイオン化法である、ESI (Electrosprya ionaization)法、高電圧針電極をによるコロナ放電を利用した APCI(Atmospheric pressure chemical ionization)法、試料とマトリックスを混合させた後、パルスレーザーによってイオン化させる MALDI(Matrix – assisted laser desorption/ionization)法、高速アルゴンや Xe (キセノン)を衝突させるイオン化法である FAB(Fast atom bombardment)法など、色んなイオン化法が試料の性質に合わせて用いられます。

生成したイオンを m/z 値に基づき分類するために、電圧をうまくかけたり、検出部まで到達する時間差を利用したり、磁場をかけて曲げて分離したりします。

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