クロマトグラフィー とは 色分法ぐらいの意味になります。chroma :色、tomos:分割、graphy :接尾語で ー法 です。根源的イメージは下図のような処理です。データ的には右図です。
固定相を移動相(移動相中を試料が一緒に流れていく。試料には複数の分子が存在する。)が通過し、固定相と移動相に対する各物質の親和性の違いを利用して各物質を分離する、という原理です。植物から、色んな成分を分離したり、血液から、特定のタンパク質だけ取り出したりと、色んなことに使われています。
イメージとしては、固定層を迷路、移動相を迷路中をスタート地点からゴール地点まで動く壁とし、観測対象である化学物質を、迷路のスタート地点にいる人間や動物と考えます。迷路の中には、人間しかひっかからない札束や、動物しかひっかからない骨やねこじゃらしなどがランダムにおいてあります。迷路はスタート地点からだんだん壁が迫ってきて、無理やりちょっとずつみんな進めさせられるイメージです。
すると、迷路の中の札束や骨やねこじゃらしに、人間は人間なりに、動物は動物なりにひっかかり、進む速度が遅くなります。この速度の変化は種により違うため、出口に到達する時間がそれぞれ変化する、というイメージです。
以下、クロマトグラフィーの分類について列挙します。また、クロマトグラフィーを「C」と略します。
【移動相による分類 2つ】
1:液体 C → LC
2:ガス C → GC と略される。
【固定相による分類 3つ】
1:ろ紙 C
2:薄層 C → TLC のこと。
3:カラム C
【分離機構による分類 5つ】
1:吸着
掃除機に吸い込まれるゴミのイメージ。吸着能を持つ固定相(シリカゲルやアルミナなど)の方にくっつく。
2:分配クロマト
人気投票のシールのイメージ。どっちかに多くいく という性質を利用している。固定層が親水性か疎水性で、更に「順相C」と「逆相C」に分類する。
2-1:順相
2-2:逆相 ← ここの代表例が TLC(Thin-Layer Chromatography)
固定層が ODS(Octa Decyl Silyl)オクタデシルなんだから、疎水性。それに対して水のような極性の高い移動相を流すのが逆相。
3:イオン交換クロマトグラフィー
静電的相互作用に基づいた分離。(この物理的観点、つまり働く力に注目すれば、1、2は分子間力によるものといえる。)
・陽イオン交換樹脂 = 流す「陽」イオンを どんどん濃くして 樹脂と結合している物質を交換していく 場合に使う樹脂。樹脂の例)ポリスチレンスルホン酸(ーSO3H) SO3ー で激しく待ってるイメージ。)、ポリスチレンカルボン酸(ーCO2H) 弱酸なので、ゆる~く遊離して待ってる感じ。→前提:樹脂は「負電荷」を帯びている。欲しいものが正電荷。
実際の作業の流れ:まず、不純物入りで流す。欲しいものは樹脂に結合する。でも、樹脂に結合するような不純物もいる。→ 移動相における塩濃度(陽イオン濃度)を上げていく。 → 樹脂との結合力が弱い者から外れていく。→ 分離ができる。
・陰イオン交換樹脂→流すのが陰イオン。
樹脂の例)4級アンモニウム塩(N+(R4))がついてるポリスチレン
4:サイズ排除型クロマト。
ゲルろ過クロマトグラフィーなどとも呼ばれる。分子量や形 による 分離。実質は、多孔性の非イオン性のゲルがつまったカラムを用いたC。このカラムに「欲しいもの+不純物」を通すと「分子量が大きいもの」が「早く」出てくる。※形も影響する。
5:アフィニティー クロマトグラフィ
特定の親和性のある物質を用いた、ピンポイント一本釣りのイメージ。His タグに対する金属イオンのあるカラムや、抗体を用いたクロマトグラフィーのこと。
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