【短く表現】
原子吸光光度法とは、サンプル蒸気層に光を通過させ光の吸収を測定し「蒸気層に何の原子が含まれているか」を知る分析手法です。光源部に中空陰極ランプを用います。
【より簡単にいうと】
「光が吸収される」=「原子の励起に光エネルギーが用いられた」ということです。原子が励起するためのエネルギーは各原子により、固有の数値として決まっています。※ 各原子により、励起するためのエネルギーが異なる理由は、電子の個数が違うためです。
一方、光の持つエネルギーは光の波長により決まります。そこで「ある波長のみを出す光源」を用いて光がどれくらい吸収されるか を測定すればある原子がどれくらいあるか を知ることができるという方法です。
【イメージ的な話】
イメージとして、「原子」を「動物」に、「光」を「動物のエサ」にたとえます。暗闇の中に動物(猫、虎、ヤギ、アザラシ・・・)がいて、それぞれの動物のエサが、猫なら「魚」、虎なら「肉」、ヤギなら「野菜」、アザラシなら「ミルク」・・・みたいに決まっているとします。
そこで、一種類のエサだけ紐付きでぽいぽい投げ入れてみて、食べられているかどうかを確認してみることで何の動物がいるかを知るような方法です。
【補足】
とはいえ普通サンプルは「化合物」です。そこで化合物を原子レベルにバラバラにする必要があります。「試料原子化部」 と呼ばれます。試料の原子化は、フレーム方式、電気加熱方式 などで実現します。
※水銀に対しては、冷蒸気方式が用いられるという知識は憶えておくと良いです。
「ある」か「ない」か という測定なので、シュパっとした線スペクトルが結果として得られます。
演習問題 100-97
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