キレート滴定とは、キレート生成反応を利用した滴定法です。金属イオン(を含む物質)の定量に用いられます。キレートとは、複数の配位子が金属イオンへ結合することによりできる錯体のことです。
主にエチレンジアミン四酢酸ニ水素ニナトリウム(EDTA)標準液を用います。EDTA は、代表的な配位子です。金属(の電荷)が何であれ、金属と 1:1 で結合する という特徴を有します。
キレート滴定においては、指示薬もある程度金属とのキレート形成します。そして、指示薬が発する色は、金属と結合している時(結合型)と遊離している時(遊離型)で、色が異なります。
この、色の違いにより滴定の終点を判断することができます。
もう少し詳しく色の違いを解説すると
1:指示薬を加える → 指示薬は少量なのでほとんどの金属は、錯体未形成。ごく一部が指示薬と錯体形成。ごく一部の、金属と指示薬の錯体 (結合型)の色 として見える。
2: EDTA を加えていく → 金属と EDTA のキレートがどんどんできていく。EDTA は、どんどんフリーの金属と錯体を形成していく。色は、変化なし。
3: 終点近くになると・・・? → 金属と指示薬の錯体 が、EDTAによって追い出されて
金属-EDTA の錯体に、交換される。これにより、指示薬が遊離し、遊離型の色として見えるようになる。
という流れです。
代表的な指示薬は、エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム(EBT・NaCl)です。構造式は、以下のようになります。
キレート滴定で定量する代表的な医薬品は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛 などです。
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