流動現象および粘度

力を加えた時に形が変わることを変形するといいます。そして、力を加え、その後に力を除いても元の位置に戻る傾向の無い物体のことを、流動を表す物体であると呼びます。

このような流動を表す物体は、大きな力を与えればより速く動くことが知られています。つまり、力と動く速度(ずり速度と呼び、D(単位は s-1))が比例します。この時の比例定数を粘度(η)と呼びます。イメージとしては、粘度が大きいと、強い力を与えないと速くずれることがないというイメージです。

加える力のことを、流動現象を対象とした学問であるレオロジーの分野においてずり応力と呼びS(N/m2)で表します。先程の、力とずり速度の関係を式で表すと以下のようになります。

S=ηD

この関係が成り立つのは理想的な流体でニュートン流体とも呼ばれます。ニュートン流体の例としては、水があげられます。一方、この関係が成り立たない流体もかなりあり、それは非ニュートン流体と呼ばれます。例としては、マヨネーズです。

粘度に関連して、工業的によく使われる動粘度(ν)と呼ばれる値があります。動粘度は、粘度を流体の密度(ρ)で割ることによって得られる値のことです。式で表すと以下のようになります。

ν=η/ρ

一般的な液体では、温度が上がると粘度は減少します。これは、固まってしまった糊を温めると柔らかくなることをイメージするとわかりやすいと思います。この温度と粘度の関係は、アンドレード式と呼ばれる式によって表され、式は以下のようになります。

Aは定数
Ea は流動を開始させるために必要な活性化エネルギー
R は気体定数、T は絶対温度です。

Tが上がると、Ea/RTが小さくなるので、全体として値が小さくなります。

粘度、及び動粘度を測定する装置として、大きく 2 種類の装置があります。毛細管粘度計と、回転粘度計です。

毛細管粘度計として有名なのは、ウベローデ型粘度計と、オストワルド型粘度計です。これらは毛細管を通って流下するのにどれくらい時間がかかるかを測定することで動粘度を算出します。ニュートン液体にのみ用いられます。

回転粘度計は、少しの間隔をあけて重ねた2つの円筒の間に液を入れ、内側を回転させることで溶液の粘度を測定します。ニュートン液体及び、非ニュートン液体に適用されます。

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