自由エネルギー(Gibbsエネルギー)

ある温度において、化学反応が自発的にどちらに進むか、エンタルピー変化及びエントロピー変化で決まります。そこで、両者をまとめて扱うために、自由エネルギーという状態量を考えます。

自由エネルギーには、ヘルムホルツの自由エネルギーと、ギブズの自由エネルギーがあります。ヘルムホルツの自由エネルギーとは、等温等積過程における、仕事として取り出せる最大の自由エネルギーのことです。ギブズの自由エネルギーとは、化学反応のような等温等圧過程における、仕事として取り出せる最大の自由エネルギーのことです。

薬学では自由エネルギーといわれたら、ギブズの自由エネルギーのことです。式で表すと、ギブズの自由エネルギーを G とすると G = H-TS です。

H はエンタルピー(つまり系に入ってきた熱=系に入ってきた全エネルギー)T は絶対温度、Sはエントロピーです。TSの部分を束縛エネルギーとよびます。

自由エネルギー変化は、ΔG=ΔH-TΔSと表されます。ΔGが表しているのは、ある反応が自発的におこるかどうかです。ΔG<0であれば、その反応は勝手に進みます。平衡状態においてΔG=0です。自由エネルギーが小さい方が、熱力学的に安定であるといえます。

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