薬剤師国家試験 第103回 問30 過去問解説

 問 題     

ダントロレンの筋弛緩作用の機序はどれか。1つ選べ。

  1. 筋小胞体からのCa2+の遊離抑制
  2. 神経筋接合部の神経終末からのアセチルコリンの遊離抑制
  3. 神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体の競合的遮断
  4. 神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体の不可逆的遮断
  5. 脊髄のγ-アミノ酪酸GABAB受容体刺激

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

ダントロレンは、筋肉の興奮-収縮連関を抑制します。すなわち、リアノジン受容体を遮断→筋小胞体への興奮の伝達過程を遮断 → 筋小胞体からの Ca2+ の遊離抑制 → 筋弛緩 という作用機序です。そのため、筋を直接電気刺激しても収縮しなくなります。

又、ダントロレンは悪性高熱症の治療薬として用います。悪性高熱症は全身麻酔の併発症の一つです。リアノジン受容体と呼ばれる受容体が深く関与していることがわかっています。

以上より、正解は 1 です。

参考 薬理学まとめ 運動神経系に作用する代表的な薬

コメント