薬剤師国家試験 第97回 問193 過去問解説

 問 題     

パーキンソン病とその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 10歳代に発症のピークがある。
  2. 進行すると認知機能が低下することがある。
  3. アミロイドβタンパク質が病因となる。
  4. 病理学的には、レビー小体の出現が認められる。
  5. ドパミン受容体遮断薬は早期の症状を改善する。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

パーキンソン病とは、脳内のドパミン不足及びアセチルコリンの相対的増加により錐体外路症状を示す、進行性の疾患です。神経変性疾患の一つです。発症は中年以降が多く、高齢になるほどその割合は増えます。よって、10歳代に発症のピークがあるわけではないので、選択肢 1 は誤りです。

進行すると、精神症状として、感覚鈍麻や、不安、うつ症状、認知障害を合併することがあります。

アミロイドβタンパク質が病因となるのは、アルツハイマー病です。よって、選択肢 3 誤りです。

パーキンソン病は、中脳黒質におけるドパミン産生細胞が変性、脱落しています。パーキンソン病の患者の黒質細胞では、レビー小体と呼ばれる好酸性のタンパク質の固まりが認められます。

パーキンソン病に使われる治療薬は、ドパミン補充役や、ドパミン受容体刺激薬です。よって、ドパミン受容体遮断薬は用いられず、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

コメント