問 題
脂質の二分子膜に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 両親媒性脂質の親水基どうしが向かい合わせとなった分子膜である。
- 温度が高くなると、脂質分子の回転・拡散の運動性が高まる。
- 不飽和脂肪酸鎖の二重結合が通常トランス型をとり、流動性を増大させる。
- リポソームは、球状ミセル集合体である。
- ゲル状態の二分子膜にコレステロールを加えると、膜の流動性が低下する。
正解.2
解 説
脂質二分子膜は、外側が親水部、内側が疎水部であるため、親水基どうしは向い合っておらず
選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 はその通りの記述です。
脂質二重膜において、不飽和脂肪酸鎖は、ほぼシス型をとります。トランス型の脂肪酸は、流動性が低くなります。よって、選択肢 3 は誤りです。
リポソームとは、両親媒性の分子による、多重層の、球状高分子です。ミセルとは、両親媒性分子が、親水基を外に、親油基を内側に向けて、集合して作られるコロイド状の粒子です。言い換えると、多重層ではなく、1層の会合体です。違いのイメージは、以下になります。
よって、選択肢 4 は誤りです。
コレステロールは、脂質二重膜に流動性を与えます。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2 です。
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