問 題
ある病院が製薬企業からの依頼を受けて治験を実施することになった。
問320
病院での治験薬の取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 治験薬を処方できるのは、治験責任医師又は治験分担医師に限られる。
- 治験薬を調剤できるのは、治験薬管理者から指名された薬剤師に限られる。
- 治験薬の服薬指導は、薬剤師が行える。
- 治験薬の安全性に関する情報は、患者に提供してはならない。
問321
治験に関して製薬企業が行った業務について、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 第Ⅱ相試験の開始に先立ち、厚生労働大臣に治験の計画を届け出た。
- 治験責任医師に治験実施計画書の作成を依頼した。
- 治験薬管理者に治験薬概要書の作成を依頼した。
- 治験施設支援機関(SMO)に治験協力者(CRC)の派遣を委託した。
- モニタリング担当者が当該治験の監査を実施した。
正解.
問320:1, 3
問321:1
解 説
問320
選択肢 1 はその通りの記述です。
治験薬は、治験責任医師、もしくは、分担医師しか処方できません。実際には、事前に薬剤部に書類を提出したりします。治験に応じた、薬に組番がある時には必ずコメントをうけるなどの規則にも従わなければなりません。
治験薬を調剤できる人については、特に制限はありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 はその通りの記述です。
治験薬に関する様々な情報は、治験に影響を与えない範囲で、患者さんには知らされます。治験薬の安全性に関する情報に関して提供してはいけないということはありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 1,3 です。
問321
治験の開発相に応じて、治験届を厚生労働大臣に提出する必要があります。選択肢 1 はその通りの記述です。
治験実施計画書は、医師主導型治験でなければ、製薬企業が作成します。よって、選択肢 2 は誤りです。
治験薬概要書は、治験薬についての臨床及び非臨床データのまとめです。治験依頼者、つまり医師主導型治験でなければ製薬企業が作成します。よって、選択肢 3 は誤りです。
SMO(Site Management Organization)とは、治験施設支援機関です。特定の医療機関と契約し、その施設に限定して治験業務を支援する期間のことです。つまり、SMO に CRC の派遣を委託する主体は、特定の医療機関であり、製薬企業ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
モニタリング部門と、監査部門は、独立していなければなりません。よって、モニタリング担当者が当該治験の監査を実施するのは、不適切です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1 です。
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