薬剤師国家試験 第98回 問168 過去問解説

 問 題     

血液脳関門に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 血液脳関門の実体は、脈絡叢上皮細胞である。
  2. 分子量の大きな薬物は、血液脳関門を透過しやすい。
  3. 血液脳関門には種々の栄養物質の輸送系が存在し、一部の薬物はこの輸送系によって脳内へ分布する。
  4. 薬物の水溶性が高いほど、単純拡散による脳への移行性は大きい。
  5. 脳毛細血管内皮細胞に存在するP-糖タンパク質は、一部の薬物の脳内移行を妨げている。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

血液脳関門の実体は、脳毛細血管内皮細胞です。よって、脈絡叢上皮細胞ではないので、選択肢 1 は誤りです。

分子量 500 を超える分子は、ほぼ通過できません。よって、分子量が大きな薬物が通過しやすいというわけではないので選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 はその通りの記述です。

血液脳関門の通過のしやすさは、脂溶性とよく相関します。つまり、脂溶性が高いほど、よく拡散します。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 はその通りの記述です。

以上より、正解は 3,5 です。

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