問 題
薬物の消化管吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 弱酸性薬物を経口投与した場合、胃で溶解した後、小腸で析出し、吸収が不良となることがある。
- 弱塩基性薬物の単純拡散による吸収は、一般に、消化管内のpHが低い方が良好である。
- 多くの薬物は、胃で良好に吸収されるため、胃内容排出速度の変化により吸収が影響を受けることはない。
- リボフラビンは脂溶性が高く、小腸全体から良好に吸収される。
- アンピシリンは、親水性が高く膜透過性が低いため、吸収改善のための脂溶性プロドラッグが開発されている。
正解.5
解 説
小腸内の pH はややアルカリ性です。よって、弱酸性薬物はイオン型の割合が増える、つまり、より溶解するはずです。小腸で析出し、吸収が不良になるとは考えられず、選択肢 1 は誤りです。
単純拡散による吸収は、分子型の薬物分子においてのみおきます。弱塩基性薬物は、 pH が低いとよりイオン型になると考えられるため一般に、吸収が不良になると考えられます。よって、選択肢 2 は誤りです。
多くの薬物は、小腸で吸収されます。よって一般に、胃内容排出速度が速ければ、より速く吸収されます。選択肢 3 は誤りです。
リボフラビンは、十二指腸で吸収されます。小腸全体から吸収されるわけではないので、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 はその通りの記述です。アンピシリンのプロドラッグとして、バカンピシリンなどがあります。
以上より、正解は 5 です。
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