薬剤師国家試験 第98回 問164 過去問解説

 問 題     

骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アレンドロン酸は、ヒドロキシアパタイトに結合し、骨芽細胞の機能を亢進する。
  2. イプリフラボンは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断し、骨形成を促進する。
  3. エルカトニンは、カルシトニンの分泌を促進し、骨粗しょう症の疼痛を緩和する。
  4. カルシトリオールは、活性型ビタミンD3製剤で、Ca2の腸管からの吸収及び腎臓での再吸収を促進する。
  5. ラロキシフェンは、エストロゲン受容体を刺激し、骨吸収を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

アレンドロン酸(ボナロン)は、骨のハイドロキシアパタイトに強い親和性を持ち、破骨細胞の活性を抑制することにより、骨吸収を減少させる薬です。よって、骨芽細胞の機能を亢進するわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

イプリフラボンは、骨に直接作用して、骨吸収を抑制するとともにエストロゲンのカルシトニン分泌促進作用を増強することで骨吸収を抑制します。よって、骨形成を促進するわけではありません。選択肢 2 は誤りです。

エルカトニンは、カルシトニンと同様の、骨吸収抑制作用を示します。カルシトニンの分泌を促進するわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 はその通りの記述です。

以上より、正解は 4,5 です。

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