薬剤師国家試験 第99回 問162 過去問解説

 問 題     

血小板に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. チクロピジンは、ADPのP2Y12受容体を遮断することでアデニル酸シクラーゼ活性を増強し、サイクリックAMP(cAMP)を増加させる。
  2. シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害し、cAMPを増加させる。
  3. サルポグレラートは、セロトニン5-HT1受容体を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。
  4. オザグレルは、プロスタノイドTP受容体を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。
  5. ベラプロストは、プロスタノイドIP受容体を刺激し、サイクリックGMP(cGMP)を増加させる。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1,2 は正しい記述です。

選択肢 3 ですが
サルポグレラート(アンプラーグ)は、5 – HT2 遮断薬です。5-HT1 遮断薬では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
オザグレルは、トロンボキサン(TX)合成酵素阻害薬です。プロスタノイド TP 受容体遮断薬ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ベラプロスト(プロサイリン)は、PGI2 製剤です。IP 受容体に作用し、cAMP 濃度を上昇させます。cGMP では、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

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