薬剤師国家試験 第99回 問147 過去問解説

 問 題     

製造物責任法に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 損害賠償の請求権には時効がない。
  2. 医薬品の添付文書の記載の不備は、製造物の欠陥とはならない。
  3. 医薬品に副作用が生じれば、直ちに製造物としての欠陥になる。
  4. 製造物の欠陥により生じた生命や身体への被害が対象であり、財産への被害は対象ではない。
  5. 製造物を引き渡した時における科学又は技術に関する知見によって欠陥を認識することができなかった場合には、製造業者は損害賠償責任を負わない。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
製造物責任(PL)法 によれば、損害及び賠償義務者を知った時から 3 年もしくは、引渡しから 10 年で、時効です。つまり、時効がないわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
添付文書の記載の不備も、製造物の欠陥になります。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
元来、医薬品には、副作用を完全に避ける事はできないという特性があります。そこで、既知の副作用について、指示・警告が適正に行われていれば、欠陥にはあたらないとされています。つまり、副作用が生じても、直ちに製造物の欠陥になるわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
PL 法 1 条によれば、財産への被害も対象です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。

以上より、正解は 5 です。

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