薬剤師国家試験 第104回 問298-299 過去問解説

 問 題     

23歳女性。20歳前後から強い頭痛と随伴症状のため大学を休みがちになったことから近医を受診しており、処方1及び処方2の薬剤が処方されていた。

薬局を訪れた患者は次のように薬剤師に話した。

「社会人になってからは仕事が忙しく、生活が不規則です。最近、頭痛の回数が多くなって、薬が足りなくなることがよくあります。仕事の都合上、発作が起こると困るときには、予防のため発作時の薬(処方1)を服用しています。今回、新しい薬(処方3)が追加されました。」

問298

本症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 随伴症状には悪心・嘔吐、光・音過敏がある。
  2. 発作時に痛みを和らげるには、入浴や軽い運動などが有効である。
  3. 処方1の薬剤を頻回使用すると、乱用頭痛を起こすおそれがある。
  4. 処方3の薬剤の代わりにエルゴタミンを用いることができる。
  5. 処方3は急性期の発作を抑えるために追加された。

問299

患者の薬物治療の経過をSOAP形式で薬剤服用歴管理記録簿に記載した。(S)、(O)、(A)、(P)の項目と対応する内容の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. S:処方2の用法・用量の変更は必要ないと判断した。
  2. O:最近になって頭痛の回数が多くなった。
  3. O:仕事の都合上、発作が起こると困るときには、予防のため発作時の薬を服用するようにしている。
  4. A:処方1の薬剤の服用タイミングを正しく理解しておらず、再指導が必要と判断した。
  5. P:次回来局時に、処方1の薬剤を予防的には使用していないことを確認する。

 

 

 

 

 

正解.
問298:1, 3
問299:4, 5

 解 説     

問298

環境の変化に伴い、偏頭痛の回数が増加している 20 代女性です。偏頭痛発症抑制のため、処方 3 が追加された所です。

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
緊張型頭痛に関する記述です。偏頭痛では逆効果です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4,5 ですが
エルゴタミンは急性偏頭痛「治療薬」です。。バルプロ酸は「発作予防」のための処方です。目的が違います。代わりに用いることはできません。よって、選択肢 4,5 は誤りです。

以上より、問298 の正解は 1,3 です。

問299

選択肢 1 ですが
「判断」するのは 「A」です。Sではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 ですが
「最近になって、頭痛の回数が多くなった」、「仕事の都合上、、、」というのは、患者の話そのままです。これらは「S」です。Oではありません。よって、選択肢 2,3 は誤りです。

選択肢 4,5 は妥当な記述です。

以上より、問299 の正解は 4,5 です。

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