薬剤師国家試験 第99回 問10 過去問解説

 問 題     

ベンズアミド1gに200mLの有機溶媒を加え、200mLの水とともに分液ロートで振り混ぜた。静置後に二層となり、ベンズアミドは主に上層に含まれていた。このとき使用した有機溶媒はどれか。1つ選べ。

  1. アセトニトリル
  2. メタノール
  3. クロロホルム
  4. 酢酸エチル
  5. アセトン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

まず、アセトニトリル、メタノール、アセトンの 3 つは水に溶けるので、分液ロートに入れる溶媒として不適です。これらを使って分液しようとしても、静置後に二層にならず、いつまでも混和したままになってしまいます。

残るクロロホルムと酢酸エチルはどちらを使っても分液が可能です。ただし、クロロホルムは比重が重い(比重 1.48 くらい)ので、二層のうち下層が有機層になります。ということは、クロロホルムに溶けているベンズアミドも下層に存在することになります。問題文より、ベンズアミドは上層にあるので、水より軽い酢酸エチル(比重 0.90 くらい)を使っていると考えられます。

以上より、正解は 4 です。

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