問 題
酵素 A と酵素 B は、骨格筋又は肝臓に含まれる解糖系の酵素で、グルコースからグルコース 6-リン酸を生成する反応を触媒する。
グルコース濃度に対する酵素 A と酵素 B の相対酵素活性は、下図のようになる。相対酵素活性は、反応初速度 V0 を最大反応速度 Vmax で除した値である。

以下の記述のうち、正しいのはどれか。 2 つ選べ。
- 酵素 A は、基質であるグルコースとの親和性が酵素 B より低い。
- グルコース濃度が 5 mmol/L から 10 mmol/L に増加すると、酵素 B の反応初速度は約 2 倍になる。
- 酵素 A は、グルコース-6-ホスファターゼである。
- 酵素 B が触媒する反応は、グルコース 6-リン酸の濃度が上昇すると抑制される。
- 酵素 A は、主に骨格筋に含まれる。
解 説
選択肢 4,5 の正誤判定が、今回の問題のトピックである「ヘキソキナーゼのアイソザイム」に関する発展的な知識が必要です。過去問既出でもないため、選択肢 1 ~ 3 を確実に判断できれば十分な問題であったと思われます。
選択肢 1 は妥当です。
酵素 B はグルコース濃度が低い時でも相対酵素活性が急激に立ち上がっています。これは基質であるグルコースとの親和性が B の方が高いと考えられます。
選択肢 2 ですが
酵素 B の相対酵素活性は 0.95 → 0.97 程度の変化であると読み取れます。相対酵素活性の 分母 Vmax は定数です。
従って
例えば Vmax = 100 とすると、V0 は 95 → 97 と変化しています。これは 1.02 倍程度の変化であり、「約 2 倍」ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
ホスファターゼは、脱リン酸化する酵素です。グルコース – 6 – ホスファターゼは、グルコース – 6 – リン酸からリン酸を取り除いて、遊離グルコースを作る酵素です。
問題文より、酵素 A は「グルコースからグルコース 6 – リン酸を生成する反応を触媒する酵素」です。従って、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
酵素 B はヘキソキナーゼです。 G6P によるアロステリックなフィードバック阻害を受けることが知られています。
選択肢 5 ですが
酵素 A は、ヘキソキナーゼのアイソザイムであるグルコキナーゼです。主に肝臓に含まれます。骨格筋ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。

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