問 題
下のグラフは、摘出回腸平滑筋を用いた受容体刺激薬 A による収縮反応の濃度-反応曲線と、それに対する薬物 X( 10−7 mol/L )あるいは薬物 Y( 10−7 mol/L )の併用が及ぼす影響を示したものである。
刺激薬 A は、一種類の受容体のみを刺激し、薬物 X と薬物 Y に収縮作用はない。
この結果に関する記述として、正しいのはどれか。 2 つ選べ。

- 刺激薬 A の pD2 値は、約 7 である。
- 薬物 X の pA2 値は、7 より小さいと推定できる。
- 10−5 mol/L の刺激薬 A による収縮反応は、薬物 X( 10−7 mol/L )の併用により約 50% 抑制される。
- 薬物 Y は、刺激薬 A に対する非競合的拮抗薬である。
- 薬物 Y の内活性は、0.5 である。
解 説
選択肢 1 は妥当です。
pD2 = -log(ED50) または、pD2 = -log(EC50) です。本問は 濃度-反応曲線 における指標なので EC50 を用います。
EC50 は、50 % 有効濃度です。刺激薬 A の EC50 は、グラフより 10-7 mol/L と読み取れます。従って、pD2 = -log(10-7) = -(-7) = 7 です。
選択肢 2 ですが
pA2 は、競合的拮抗薬の効力を表します。作動薬の用量-反応曲線を 2 倍高濃度側に平行移動させるのに要する競合的拮抗薬のモル濃度の、負の対数値です。
グラフから薬物 X 10-7 mol/L を加えた際に、10 倍以上高濃度側に平行移動しています。そのため、2 倍高濃度側に平行移動させるのに要する 薬物 X のモル濃度は、10-7 よりも小さな値です。
具体的に 10-10 mol/L とすれば、pA2 値は -log (10-10) = 10 です。つまり、薬物 X の pA2 値は 7 よりも「大きい」と推定されます。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
グラフにおける 刺激薬 A + 薬物 X の曲線に注目します。10-5 mol/L の刺激薬 A では薬物 X 併用時、約 80 % の反応を示していることが読み取れます。従って、抑制率は約 20 %です。「約 50 % 抑制」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
刺激薬 A の濃度を高くしても、薬物 Y は最大反応を 50 % (0.5) まで低下させており、非競合的拮抗薬です。
選択肢 5 ですが
内活性(α)とは、薬物が受容体に結合した際に最大反応を引き起こす効率(反応性)を示す指標です(完全作動薬で 1、拮抗薬で 0)。
問題文より「薬物 Y 自体に収縮作用はない」ため、内活性は 0 です。「薬物Yの内活性は、0.5」ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
参考 薬物の用量と作用の関係
https://yaku-tik.com/yakugaku/yr-1-1-1/

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