薬剤師国家試験 第110回 問20 過去問解説

 問 題     

コウジカビ Aspergillus flavus が産生する主要な肝発がん物質はどれか。1 つ選べ。

  1. シトリニン
  2. パツリン
  3. アフラトキシン B1
  4. フモニシン B1
  5. デオキシニバレノール

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢の物質は全てマイコトキシンです。マイコトキシンとは、カビによる産生される毒の総称です。マイコトキシンに関しては何に発生するカビが産生する毒か、及びどこに毒性があるかを名前から連想できるとよいです。

選択肢 1 ですが
シトリニンは、米を変色させるカビが産生する毒です。腎毒性があります。

選択肢 2 ですが
パツリンは、リンゴ製品にはえるカビが産生する毒です。神経障害を引き起こします。

選択肢 3 ですが
アフラトキシンは、ピーナッツに発生するカビが産生する毒です。強力な発がん性を持ちます「肝発がん物質」という記述から、本問の正解は「アフラトキシン B1」と考えられます

選択肢 4 ですが
フモニシンは、1988 年に発見されたかび毒の一種です。フザリウム属のかびから作られ、世界中のトウモロコシ及びその加工品等から検出されています。

選択肢 5 ですが
デオキシニバレノールは、赤カビ菌が産生するカビ毒です。日本では麦類での汚染が報告されています。


以上より、正解は 3 です。

参考 マイコトキシン
https://yaku-tik.com/yakugaku/es-1-3-4/

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