薬剤師国家試験 第110回 問66 過去問解説

 問 題     

播種性血管内凝固症候群 (DIC) で認められる検査所見はどれか。1 つ選べ。

  1. アンチトロンビンの減少
  2. フィブリノゲン・フィブリン分解産物 (FDP) の減少
  3. 血小板数の増加
  4. プラスミノゲンの増加
  5. プロトロンビン時間 (PT) の短縮

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

DIC は、何らかの基礎疾患や薬剤などにより、循環血における血液凝固系、血小板系が活性化される病態です。

血液凝固系、血小板系が活性化された結果、全身の血管において血栓形成が進みます。血栓による閉塞により臓器障害が引き起こされる上、凝固因子や血小板の消費が進みます。この病気に対しては、凝固系の活性化防止血小板減少の対策が必要となります。


選択肢 1 は妥当です。

DIC ではどんどん血液凝固が進むため、抗凝固因子であるアンチトロンビンは過剰に消費されます。その結果、血中のアンチトロンビンは減少します。

選択肢 2 ですが
血栓がどんどんできると共に、血栓の分解産物が血中に増加していきます。FDP は「増加」が認められます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
血小板数は「減少」します。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
DIC では血栓増加と並行して、血栓を分解する線溶系が亢進します。線溶系因子であるプラスミノゲンは DIC で過剰消費されます。結果、血中プラスミノゲンは「減少」します。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
DIC により血小板や凝固因子が過剰消費されるため、血液が固まるまでの時間は「長く」なります。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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