薬剤師国家試験 第110回 問99 過去問解説

 問 題     

日本薬局方金チオリンゴ酸ナトリウムの定量法には原子吸光光度法が用いられる。このことに関する記述として正しいのはどれか。2 つ選べ。なお、測定条件は以下のとおりである。

測定条件

  • 使用ガス:可燃性ガス ( ア )
  • 支燃性ガス 空気
  • ランプ:( イ ) (波長 242.8 nm)
  1. ( ア ) に入るのは、アセチレンである。
  2. ( イ ) に入るのは、重水素放電管である。
  3. 原子化には冷蒸気方式が用いられる。
  4. 定量には、ランベルト・ベール (Lambert-Beer) の法則が適用される。
  5. 金の原子スペクトルは、連続スペクトルである。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 2,3,5 を誤りと判断したい問題です。


選択肢 1 は妥当です。

可燃性ガスとして、アセチレンが用いられます。

選択肢 2 ですが
原子吸光光度計のランプは中空陰極ランプを用います。重水素放電管ではありません。ちなみに、重水素放電管は、紫外可視吸収度測定における紫外部の測定に用いられます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
冷蒸気方式は、水銀の測定時に用いられます。金の原子化で用いられるのはフレーム方式です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
吸光度で定量するので、ランバート・ベールの法則:A = kcl が適用されます。 

選択肢 5 ですが
原子吸光光度法では、測定するスペクトルは線スペクトルです。連続スペクトルではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,4 です。

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