薬剤師国家試験 第110回 問101 過去問解説

 問 題     

有機化合物 A ~ D が 100 mg ずつ含まれるジエチルエーテル (エーテル) 溶液 100 mL について、エーテルと同体積の各水溶液を用いて、分液ロートによる以下の操作を行った。このとき分液操作 ② によって得られた水層には、有機化合物 D の塩が主に含まれていた。

有機化合物 A ~ D を分離する分液操作の組合せとして、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

  • ア 2 mol/L 塩酸を用いる分液操作
  • イ 2 mol/L NaOH水溶液を用いる分液操作
  • ウ 飽和 NaHCO3 水溶液を用いる分液操作
  • 分液操作① 分液操作② 分液操作③
  1.   ア     イ     ウ
  2.   イ     ウ     ア
  3.   ウ     ア     イ
  4.   ア     ウ     イ
  5.   イ     ア     ウ
  6.   ウ     イ     ア

 

 

 

 

 

正解.6

 解 説     

B が強い酸、D が弱い酸、A が中性、D が塩基性の有機化合物です。


【分液操作 ① について】
まず 弱い塩基である NaHCO3 を加えることで、強い酸を分離できます。操作 ① が 飽和 Na HCO3 を用いる分液操作です。これにより、水層に B を分離できます。エーテル層に A,C,D が残っています。① は ウ です。


【分液操作 ② について】
「分液操作 ② によって得られた水層には、化合物 D の塩が主に含まれていた」とあります。つまり、弱い酸と反応して塩を作って水層に分離するような操作です。従って、操作 ② は 2mol/L NaOH を用いる分液操作です。② は イ です。


以上より、正解は 6 です。

参考 官能基を利用した分離精製
https://yaku-tik.com/yakugaku/yk-3-1-3/

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